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改正個人情報保護法が2017年5月30日に施行。「匿名加工情報」で小売業のデジマケが新たな時代へ

政府は昨年末の2016年12月20日に、2015年改正個人情報保護法の全面施行を2017年5月30日とする政令を閣議決定しました。

改正法の施行準備について:個人情報保護委員会

この改正法の基礎のキくらいはまず抑えておきたく、法改正の背景と小売業(特にリアル店舗)のデジマケに関わる人にとって何が変わるのか調べてみることにしました。

個人情報保護委員会がわかりやすいガイドブックを公開してくれていた!

当初の想定では、難解なお役所文書を読まないと基礎のキもわからないのかなと結構気が重たい感じだったのですが、個人情報保護委員会という政府機関が、言い方を平易にして、改正個人情報保護法のポイントをまとめてくれています。

個人情報の利活用と保護に関するハンドブック(個人情報保護委員会)

この中で個人情報保護法改正の背景として、以下の3点が明記されています。

1. 個人情報に該当するかどうかの判断が困難ないわゆる「グレーゾーン」が拡大
2. パーソナルデータ(※)を含むビッグデータの適正な利活用ができる環境の整備が必要
3. 事業活動がグローバル化し、国境を越えて多くのパーソナルデータが流通
※パーソナルデータとは、「個人情報」に限定されない、個人の行動・状態に関するデータのことをいいます。

2番目の「ビッグデータの適正な利活用ができる環境の整備が必要」という点が小売業の、とりわけ店舗内でのマーケティング活動に深く関わりがありそうです。

じゃあ整備が必要となるような課題とは何だったのか?それについては、国民生活センターが公開している以下の資料にわかりやすい記述がありました。

第23回 個人情報保護法改正のポイントを学ぶ(7) 匿名加工情報の取り扱い

個人情報保護法では、個人情報の目的外利用および個人データの第三者への提供に
ついて本人の同意を得ることが義務づけられています(法第16条および法第23条第1項)。この手続きは、法改正によっても変わることはありません。

個人情報保護法の元においては、例えば店舗内に設置したカメラが、店内にいる顧客を認識して、その人の表情から年代や性別を判別出来たとしても、その情報をマーケティングに活用するなら本人の同意が必要となってしまいます。

えっ?なんでカメラでは個人を特定できるわけでもないのにそれが個人情報として見なされるの?って感じがしますが、これについては以下の記事が参考になります。

個人情報保護法の改正がビッグデータに与える影響とは―デロイトトーマツ

現行法での個人情報の定義は、「生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む)をいう」となっている。

この定義からは、2003年には取り扱いが難しく普及していなかった指紋や顔認識などの生体データや遺伝子データ、来店者の移動履歴、購買履歴などが個人情報に該当するのかどうかかが判断できない。そのため、これら判断不能なデータが「グレーゾーン」の個人情報となった。いずれもビッグデータで使うには魅力的なデータだが、企業にとっては、使いたいけど使えないデータとなってしまった。

改正法では、個人情報の定義を拡充することでグレーゾーンを解消する。

厳密には生体データが個人情報であるかどうか定義できておらず、個人情報と見なしていいのかもわからなかったということだったんですね。
判断できないものを勝手に取り扱うリスクを考慮し、個人情報”的なもの”みたいなグレーゾーン扱いになっていたところでしょうか。

このような事情もあり、カメラで得た生体データ情報を活用するにも、わざわざ来店する人すべてに同意をもらう必要があるわけですが、そんなこと現実的にできるはずがありません。

テクノロジーの進化した時代ゆえに生まれた課題を解決することも、1つの背景として法改正が行われたわけですね。

改正個人情報保護法では、「匿名加工情報に関するルール」というものが制定され、これらの課題の解決が図られることになりそうです。

これだけは知っておきたい「匿名加工情報に関するルール」

小売業のデジマケに関わる人がこれだけはまず覚えておきましょうというのが上記の匿名加工情報です。

このキーワードが今後のマーケティング活動に大きな影響を与える可能性があります。

匿名加工情報とは?

これについては最初に出てきたハンドブックが簡潔にまとめてくれています。

匿名加工情報とは、個人情報を加工して、通常人の判断をもって、個人を特定することができず、かつ、加工する 前の個人情報へと戻すことができない状態にした情報のことです。

匿名加工情報には、個人情報に関するルールは適用されず、一定の条件の下、本人の同意をとらなくても自由に利活 用することができます。 これにより、新事業や新サービスの創出や、国民生活の利便性の向上が期待されます。

個人情報の利活用と保護に関するハンドブック P.6より引用)

つまり、店内カメラやIoT機器などから得られた顧客に関するデータも、個人特定できなくし、復元されることもできなくした状態という条件を満たせば、個人情報という扱いにならず、個人の同意を得ること無しに、マーケティングへの活用も認められるということのようです。

店舗であれば、店内カメラから得られた生体データを元に、どんな人が店内でどんなルートで回遊しているだとか、どんな人がどの売場にどれくらい滞在する傾向にあるのかだとか、より細かくユーザー行動を分析することも可能でしょう。

リアル世界のアクセス解析と言えばわかりやすいでしょうか。

事前にユーザー登録などしてもらい、アプリをインストールした人のデータしか集まらないような状況も、これからはお店に来たすべての人を対象にデータを集めることができるので、今まで拾えていなかった課題も見えやすくなるかもしれません。

まとめ

2017年5月30日に改正個人情報保護法が全面施行されます。
この改正法ではマーケティング活動の幅を広げられる「匿名加工情報」についてのルールが制定されました。
今まで計測のハードルが高かったユーザー行動に関するデータを取得しやすくなり、そのデータをユーザー体験の向上や新サービス開発に活用されることが見込まれます。

匿名加工情報については、改正法の第36条〜39条に記載されており、第3者へのデータ提供の仕方や、匿名加工情報を復元できないようにするために、どんな処置を行うべきかについてなど言及があります。今後マーケティング活動に関わる人は事前にチェックしてみるとよいでしょう。

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この記事を書いた人

泉 隆之

この記事を書いた人

朝ドラの脚本家の夢を追いかけ続ける彼はIMJでも才能を存分に発揮し、敏腕ディレクターとして数々のドラマを創出してきた。大手メーカー、エンタメ事業会社、商業施設等でサイト構築&運用・店舗送客施策に携わる。新卒で入社した会社ではデザイナーながらお米の販売営業をするという不思議な体験も。真面目なことからユニークなことまでなんでも挑戦する心構えが備わっている。