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MR(Mixed Reality)がリアル店舗の購買体験に与える影響はいかに?

最近はAR(Augmented Reality:拡張現実)/VR(Virtual Reality:仮想現実)の話がだいぶ盛り上がってますよね。

Google、FacebookのVR参入もさることながら、ゴールドマン・サックスが2025年にAR/VR市場が今のデスクトップPC市場と同規模になると予想しているのは有名な話です。

1. 速報:GoogleのVRヘッドセットDaydream View発表。リモコン付き79ドル、柔らかな布製で各社端末に対応: Engadget 日本版
2. Facebookが「ソーシャルVR」をデモ…これが未来なの?: ギズモード・ジャパン
3. 「次はVRとARが来る」ゴールドマン・サックスが明言: ITmedia ニュース

MR(Mixed Reality:複合現実)も最近はよく聞くようになって、今回においてはVR/ARの文脈で目にする機会が増えたMRが店舗でのショッピング体験にどんな影響をもたらすのか考えてみたいと思います。

[キヤノン:テクノロジー | Mixed Reality]

SR(Substitutional Reality:代替現実)なんてものもありますが、ちょっと毛色が異なるので、ここでは触れずにおきます。

AR/VR/MRの定義の違いっていうのが、結構混乱しますが、解説してくれているサイトがいくつかあるので、詳細はそちらで紹介されている動画などご覧ください。

AR、VR、MRの違いを整理してみた: めがねぐらし
拡張現実(AR)とは? モバイルARを実現するテクノロジーと開発ライブラリ[PR]

VRは目に見えるのは仮想世界のみで、わかりやすいです。
ただ、ARとMRの違いが若干わかりづらく、MRの話でよく出てくるMicrosoft HololensをAR機器と扱う記事もあったりして、まだ定義は揺れているのかなという印象を受けます。

ARは、現実世界に、利用者が知りたい情報を仮想で表示させ、現実世界を価値ある光景に拡張して”見るもの”。

MRは仮想世界がまずあって、それを現実世界にいる人間が自由に作り変えたり、現実世界の情報を仮想世界が受取り、見える世界が変わって、それを受けて人間がさらに仮想世界を作り変えたり。
仮想と現実がお互いに影響し合うMixされた世界を”体験するもの”という感じで個人的には解釈しました。

以下の動画がMRというものをもっともよく理解できました。

リアル店舗での活用事例

ARについてはすでに商業施設や、小売店舗での実例がありますし、よい成果にもつながったようです。
AR(拡張現実)の実践的活用法!ARで平凡なPRを変化させた秀逸なキャンペーン5選

お金をカメラを通して見ると、その金額内で買える品物がARで登場するというケンタッキーの施策は、ARが直接的に購買に影響をもたらす事例ですね。
ナショナルジオグラフィックの例はそこでしか体験できない仕掛けになっていて、来店動機を作る好事例になったのではないかと思います。

ただ、MRについては、まだこのような実店舗での活用はほとんどされていない様子です。

活用方法がまだ見いだせていないというのもあるのでしょうけれど、ARと違い、
ゴーグルを用いないと体験できない点で、高額な端末費用や、管理・メンテナンス費用、初期設定を行う現場スタッフのオペレーションなど、施設で使うには結構高いハードルが立ちはだかりそうです。
これらを仮にクリアしたところで、来店した人がみんなゴーグルつける光景もなんだかあまりスマートな光景に思えません。

ここでふと疑問に思ったのが、裸眼でMR化は出来ないのか?ということです。

何かを自ら覗いて楽しむのではなくて、自分自身が外から見て仮想現実化してしまうんです。
例えば以下のような話です。もはやこれはMRと呼べないのかもしれませんが。

自分MR化 ヘアスタイル編

普段は金髪でいたいが、仕事上どうしても黒髪にしなきゃいけない。
そんな時、特殊なシャンプーか何か使って、洗髪しておけば、
耳につけたイヤリングもしくはピアスが毛髪を検知し、仕込まれたレンズが髪に仮想現実を映し出し、目の前にいる人には金髪が黒髪に見えてしまうとか。あくまで裸眼で。

スキンヘッドの人がロン毛にしたい場合は、好きな髪の色で、パーマかストレートかも選べて頭に毛髪の仮想現実が描かれるとかになれば、不自然なカツラでバレるということもなくなり、デジタルの力で薄毛に悩む人に楽しい生活を提供できるかもしれません。

風が吹けば、MRは現実世界の風の情報を受取り、髪をなびかせて、感覚を味わえるとか。

こうなると、美容室はどうなってしまうのか。
生理現象として髪は伸びますから、衛生的にもやはりお店には行かなくてなりませんね。

MRが前提の髪型になったら、どんなMRヘアスタイルにも対応しやすいショートカットをみんなするようになって、自毛のヘアスタイルは個性があんまりなくなってしまう?
ヘアスタイルが画一化されたら、自動ヘアカットマシンみたいな物ができてドンキホーテで売っていたりして。
なんだか想像するのが怖くなってきました……。

自分MR化 ファッション編

パンツ1枚履けば、それが体の周囲に仮想現実の洋服を再現してくれて、温度調節まで出来るような装置ができないか?
ネットで楽しむアバターが逆に現実世界になってしまうような。
スマホで着たい服を選んで、タップすれば体の周囲にその服が仮想現実として現れる。(それは裸眼で見える)

こんなことが起きてしまったら、根本的に小売り(特にファッション・美容系)の在り方そのものが変わってしまいますよね。きっと。

自分の服がバーチャルに簡単に着せ替えできたら、お店が全くいらなくなってしまう。
建前上、本革やブランドモノは高い金額で売買されて、実態は何もない。
(そうなると動物愛護的にもよかったりして?)
でもそんなことになったら雇用がどうなってしまうんだか。
これまた怖くなってきてしまいました。

でも、もし好きなように髪型や洋服を変えることができたら、出かける楽しみが増えるというか世の中がパーティー好きな人(パリピ)だらけになって、毎日ハロウィンがどこかで行われていて、テンション上がった勢いで店舗での消費が加速するなんて、そんなことが起きやしないかと……すみません、このくらいにしておきます。

まとめ

VRがそこにいなくても、その場にいるような体験ができるものだとしたら、それは必然的に、店舗という場所に行く必然性を無くす存在になりえます。
上記のような、レンズを通さないで見られるMR的な世界は視覚的に、実際のモノに、代替できる以上、物質(商品)に取って代われる可能性を感じてしまいます。(「あれ?そのマフラーってMRなの?」みたいな)

今回の話はだいぶ突拍子もない話に聞こえるかもしれませんが、想像出来てしまった以上、視覚的な課題や欲求が絡む領域を扱う業界は、いずれ多くの体験がバーチャル化されてしまうことも、大げさな話ではない気がしてきます。

それを見据えて、いかに仮想世界で現実と区別がつかないようなディテールを再現できるか。そこがこれからの小売業に求められてくるのかもしれません。

泉 隆之
朝ドラの脚本家として夢を追いかけ続ける彼はIMJでも才能を存分に発揮し、敏腕ディレクターとして数々のドラマを創出してきた。大手メーカー、エンタメ事業会社、商業施設等でサイト構築&運用・店舗送客施策に携わる。新卒で入社した会社ではデザイナーながらお米の販売営業をするという不思議な体験も。真面目なことからユニークなことまでなんでも挑戦する心構えが備わっている。
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